Photo Essay
寺山修司
のいる風景
‐3‐
Shuji Terayama
寺山は自分の出自その他に虚実をちりばめ、自分自身のイメージに演出をほどこしていたのは有名な話である。 書き換えのできない過去などない、という彼は、母親が健在であるのに、「亡き母の位牌の裏のわが指紋さみしくほぐれゆく夜ならむ」などという歌を詠む。 ボクシングなどやったこともないのに、やっていた事になっている。 しかしそうやって自分自身すらを作品化し、あらゆる手段を使って観客や読者にイメージをぶつけ続けたわけで、こんな人物は空前にして絶後であろう。
Shuji Terayama
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