三島由紀夫覚え書き
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三島由紀夫こと平岡公威は、大正14年(1925)1月14日、東京・四ツ谷で生まれた。学習院高等科を経て、昭和19年(1944)10月、旧制東京帝国大学(現東京大学)法学部に入学、同22年(1947)3月卒業後、一時、大蔵省に勤務したが、翌年に退職、爾来文筆生活に入った。
学習院中等科時代
同人は、少年時代から小説を執筆、十九歳の時に短編集「花ざかりの森」を出版、川端康成に認められ、二一歳のとき、「人間」誌に「煙草」を発表して文壇にデビュー、その後、「仮面の告白」「潮騒」「金閣寺」など多くの小説、戯曲に鬼才を発揮、新潮文学賞等数々の文学賞を受賞し、ノーベル文学賞の有力候補にも何度か上がった人物である。
しかし、三島由紀夫を語るとき、世界に名だたる小説家であると同時に、「楯の会」結成から、昭和45年(1970)11月25日の自衛隊東部方面総監部における自決、いわゆる「三島事件」に至る行動者としての存在を想起せずにはいられない。
そして、また、彼のこうした「死」に至る政治的行為の意味を黙殺することによっても、三島由紀夫の実像をとらえることはできない。
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