| 三島由紀夫覚え書き |
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| 三島は、昭和43年(1968)3月、御殿場(静岡県)の富士学校滝ヶ原駐屯地で長期自衛隊体験入隊を開始した。三島と「論争ジャーナル」グループとの間で何度も練られた民兵組織「祖国防衛隊」構想へ向けての最初の具現化であり、ステップであった。 三島は、アジアの共産化阻止との発想から、昭和43年(1968)5月、東京・虎ノ門の教育会館に、ドゴールの軍服に身を固めた約四〇人の会員を集め、「楯の会」を結成し、同会の会長となった。 三島が、天皇を強く意識したのは、戦前の二・二六事件に題材を取った「憂国」あたりからではないかと考えられてきたが、作家の猪瀬直樹氏は、著書「ペルソナ三島由紀夫」の中で、「『金閣寺』で絶対的な世界を暗示し、『絹と明察』で具体的な像を描いたと考える」と指摘している。また、「天皇こそは、『日本の歴史、文化、伝統』の中心的存在であるのだから、民族の連続性、統一性こそを顕現なされている存在なのだから」と三島は言っている。 さらに、三島は「文化防衛論」の中で、明治憲法下の近代の天皇制は官僚機構によって装備されたものであるから本来の天皇制と異なり、欧米文化に侵されて成立したとの見解を述べている。 |
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